【解説】
 中越地震から三年、またしても新潟県が震災にみまわれました。これまで復興に向けて精一杯頑張ってこられた皆様のお心を思うと何と申し上げていいかわかりません。不幸にも亡くなられた方々にはお悔やみを、また震災にあわれた方にはお見舞いを申しあげたいと思います。
さて、江戸時代を代表する禅僧良寛さんも西暦1400年やはり新潟の三条大震災で被災されております。その時残した言葉が「災難に逢ふ時節には、災難に逢ふがよく候。死ぬ時節には、死ぬがよく候。是ハこれ災難をのがるる妙法にて候」というものです。あの良寛さんの言葉かと耳を疑う方もおられる事でしょう。ですが、悲しみに涙するものに対して悔やみや慰めの言葉が何の意味があるのだろうか・・・。
仏教に「同悲、同苦」との言葉があります。この世に涙する者に寄り添い、共に悲しみ、共に苦しみ、共に涙する心で接する以外には慰めはないものなのかもしれません。ご自分もまた被災者でありその視点からの言葉ということはありましょうが、「災難に・・・。」とは確かに“ただしき心もてなせるさいわい”の言葉であろうと思います。何ともならない悲しみや苦しみは、乗り越える為の指針というよりは、心に納めるしかない、その納得の道を探る導き手こそが大切なのかもしれません。

戻る