【解説】
“断捨離”という言葉が今話題です。元々は、ヨガの行法哲学『断行・捨行・離行』の頭文字を取ったもので、意味としては、大まかに云えば、自分と物との関係を見直し、物への執着から解き放たれる心を目指すものだそうです。
提唱者である やました ひでこさんの著書中に次のようにあります。「モノとの関係を問い直し、暮らし・自分・人生を調えていくプロセス。不要・不適・不快なモノとの関係を文字通り、断ち、捨て、離れ引き算の解決方法によって停滞を取り除き、住まいの、暮らしの、身体の、気持ちの、人生の、新陳代謝を促す」
人は、なぜ捨てられないのか?それは、そこに欲が介在するから。また、捨てられないのはモノに対する欲だけではないようです。
‘腹に一物 背に荷物’などと云います。腹の中には、もっと高級なモノがほしい、もっと名誉や名声がほしい、ほしいほしいの欲望が‘一物’。
 そして背中には、世間体、社会的な体面など、表面的なしがらみやこだわりという‘荷物’を背負っております。
“放下著(ほうげじゃく)”という禅語の教えを借りるまでもなく、一物や荷物を捨てたり、降ろしたりする事でどんなにか心の風通しがようなるものでしょう。
思えば、かのお釈迦様も、王族という身分を捨て去り、出家という道を選ぶことで、本当の意味で心の解放を手にされた方でありました。
さて、ここで、お釈迦様のお悟りレベルまでは望めなくても、必要のないモノを整理し、また、心の老廃物のデトックスに励む事で、とりあえずは腹八分目、心八分目を考えてみたいと思います。
林望氏の『節約の王道』にこうあります。「節約は、けちけちすることではない。『自分の軸』を持って、衣食をまかなうものを選ぶことだ」
持ってしまったモノも、これから得ようとするモノも、自分の軸をしっかりと持ち、捨て且つ選ぶ目線が大切なのでしょう。
“断捨離”“節約”共に、心のセンサーを研ぎ澄ますことで、物ではなく、精神性の贅沢を味わう暮らしを味わいたいものです。

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