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| 【解説】 藤原正彦さんの「国家の品格」以来、「女性の品格」「男の品格」などなどそれぞれの品格をうかがう本がベストセラーになっておりますが、いま最も話題性のある品格といえば「横綱の品格」なのでしょうか。 余談になりますが、大相撲の番付けは、横綱大関関脇小結を称して三役と言います。なぜ四役とは言わないのか、理由は大関が負け越すと番付けが下がりますが、横綱の地位は下がる事がない、横綱は別格という事だそうです。 別格とは格式が特別で扱いが違う意味でしょうから、そこにはその立場としての特別な品位が求められるのはむしろ当然の事と思いますが如何でしょうか。 ところでこの品位、品格という文字を辞書で引いてみますと人に自然にそなわる人格的価値≠ニあります。相撲の世界で強くなるためには、過去に不惜身命(ふしゃくしんみょう)※ とその決意を表した横綱もおりましたが、稽古に稽古を重ね、たゆまぬ精進が大切なのだと思います。 千利休の言葉に稽古とは 一より習い 十を知り 十より帰る もとのその一≠ニあります。稽古とは、技や力だけではなく、古(いにしえ)を学び、人格的価値を高める意味があると思います。横綱に上り詰めた事で、十を知ったがごとくご本人もまた周囲の目もそのように感じたのでしょうが、実はちょっとつまずいて立ち止まったところに本当の意味で十にたどり着くきっかけを与えられたのかもしれません。これからの人生を頂上からの帰り道と見れば、もとのその一を謙虚に眺め、慎みの歩みを進める事がご自分の心を護る道行きとなるものと思います。 ※不惜身命・・本来の意味は、仏法の為に命を惜しまず精進する事を言う。 |