お釈迦様の高弟に神通第一と言われた目連尊者が居られます。ある日、今は亡き母が夢の中で地獄に堕ちて苦しんでいる姿が見えたのでした。尊者は何とか救ってあげようと、お釈迦様に相談します。「あんなに優しかった母がどうして地獄などに堕ちているのでしょう、何とか助けてあげたいのですが」ここでお釈迦様曰く、「お母様は貴方のことが可愛いばかりに、他人に気を配ることを忘れてしまって、我利に走ってしまったのです。どうしても救いたければ人の心を取り戻す行為、つまり、他者に施す貴い行いをしなければならないのですよ」と。そこで、尊者がとった施しが、施食、あらゆる物、また者への供養だったのです。こうして、母は、餓鬼道から救われたというお話しに由来します。年に一度、貴い行いとして、ご自分のご先祖様だけではなしに、あらゆる方々に清らかな布施の心を手向けてみては如何でしょうか。仏教に自利利他という言葉があります。他者のために損得を超えた清浄な行為を施すことは、ひいては自分の心を清らかなにし、結果的に自分の利にもつながるものと理解します。西洋のボランティアという行為も利他行を根底において行うことで、仏教的なご修行にもつながるのでしょう。