梅が下向きに花を付ける年、かまきりの巣作りの場所が地面に近い年は寒さが長引く等々、気候の変異を未然に感じる自然のはたらきは、地域によって様々な伝承があるようです。これら、古くからの言い伝え(おしえ)通り、今年のお彼岸は十七日の彼岸の入りを除いて 概ね寒い日が多かったように思います。生身で自然を相手にする生き物達は、誰の手も借りることなく自分の身を守るすべをしっかり心得ているという事でしょうか。
 それにひきかえ 我々人間は、同じく自然界に生存する生き物でありながら、文明と言う名の便利さに甘んじ、すっかりその動物的感覚が鈍ってしまったようです。それは、単に生活環境面だけにとどまらず、自己防御本能にも同じことが言えます。日本が島国ということもあるのかもしれませんが、海外での日本人の被犯罪率の高さを見ても、認識の低さはもはや疑うべくもありません。

 ところでお彼岸の七日間は、日頃の生活態度を見直し、仏教の教えに従った正しい生活に目覚める機会としての修業期間です。医学の世界でも、予防医学、代替医療と、疾病以前の生活のあり方の啓蒙に力を入れ始めております。
 混沌とした世情の今だからこそ、心と身体両面から生活全体を見つめなおしたいものです。
 事前認識の高さ(勇み足は困りますが?)が明暗を分ける時代です。
「病む前に気付いてほしい」
彼岸からの呼びかけが聞こえませんか?