−中道に因み− |
仏教には、西方浄土といって、西に極楽があるという考えがあります。春分の日には太陽が真東から出て、真西に没します。この真西の日没のところこそ、往生の願いをかなえてくれるところであるという考えで、春秋二季のこの時期に、彼岸会が営まれるようになったという説があります。
また、昼と夜の長さが等しい日ということで、苦しいことも快楽も、良きにつけ悪しきにつけ、極端に偏ることなき中道として、特に好ましい日とされているようです。
中道、中庸、中立等など、仲を取り持つ言葉として美しい響きも感じられるわけですが、最近、巷での話題は中性脂肪、メタボリック症候群でしょうか?。導入の手法にやや強引さが見られますがそこはお釈迦様に免じてご勘弁頂きたい。というのも実は二千五百年前、すでに中道と健康の関係を説き示しておられるのがその人“仏陀”なのです。
当時、仏陀の元には大勢の王たちが悩みを抱えて訪れたと言います。その中にコーサラ国の王パセナーディがおりました。ある日訪ねてきた王の様子を見るとふうふう大息をついています。よくよく聞いてみると王には大食する癖があり、今日もまた大いに美食を貪り食った後ですぐに仏陀を来訪したとの事でした。大息をついている王の姿をしばし微笑をたたえて眺めていた仏陀は、やがて王のために言葉を与えられます。
「ひとは自ら懸念して、量を知って食をとるべし。さすれば、苦しみ少なく、老ゆることおそく、寿を保つならん。」それからの王は、側近にこの言葉を暗記させ食事のたびに側で唱えさせたと言います。その結果食事の量は次第に減り、肥満した体も減量され健康になるとともに端正な容貌になったとあります。
また、この時王がお釈迦様に述べた感謝の言葉が古い経典にあります。
「まことに、世尊(お釈迦様)は二つの利益をもって私に恵みたもうた。私は世尊によって現世の利益と、未来の利益とを得る事ができた。」
禁欲主義にも傾かず、快楽主義にも傾かない姿勢を実際の生活と結びつけながら中道の教えとして示した説示でしょう。
食生活が豊かすぎる現代、王様になった40歳以上の日本人は4人に1人だそうです。これまでのお話に若干耳の痛い皆様、また唱える側近に恵まれない方、「量を知って食をとる。」もはや自覚の側近に暗記させるしかすべ術はないようです。「俺も私もメタボ〜」の合唱に安心してはいませんか? |
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