二十七から二日間にわたり曹洞宗の僧侶を対象にした研修会に参加しました。今回のテーマは「室内・住職学-檀信徒葬儀法-」でした。
檀信徒葬儀法は、いわゆる檀家の皆さんのご葬儀の仕方を学習するのですが、「葬儀の仕方を知らないでお葬式をしているの?」との疑問の声が聞こえてきそうです。
また常々、同じ宗派のお坊さんなのになぜこんなにやり方が違うのか不思議に思っている方も少なくないのでは?。そこには古からのそれぞれの地域における伝統や習俗を取り入れ、正式とは言えないながらも折り合いをつけて執り行っている実情があります。そのような中、葬儀における細かな作法をもう一度学び直し、仏の世界への旅立ちをより安心に満ちたものにしなければならない、習俗との関係を大切にしながらも本来の形に如何に近づけるのか、伝統的な文化であっても日々研究や研鑽が必要なのは、仏教の世界も同じこと、自己研鑽の学習会としての意味合いがあります。ただ、テーマを見てもわかるように室内・住職学、これまではあくまで室内、つまり学習資料などがあるわけではなく師僧から弟子に直接伝えられたもの、形や文章として残す性格のものではありませんでした。  そこで古くから口伝として伝わる作法を正確にまた綿密にご存知の老師をお迎えし、理解を新たにしようというものです。
葬式仏教と揶揄される事が多い昨今の仏教ですが、細かなしきたりの一つ一つ、またその中で用いる法具すべてにお釈迦様の命が宿っている事実があります。儀式をおろそかにすることは、仏教の教えの根幹を揺るがすことと言っても過言ではありません。ハードの面は葬儀社にお任せするとしても、ソフト面は我々僧侶(プロ)の出番です。
それにつけても、こちら側の岸(此岸)から向こう岸(彼岸)へ渡す船頭の腕を磨く努力は必定、護岸工事で流れが急激に速くなった川を安全に渡すには机上の計測だけでは測りきれません。そこには日々の精進に基づく経験則が大切。古風を習う心構えは容易ではないようです。